■ロックのアナログ盤でも高値のつきやすいヴェルヴェッツのレコード群
「ヴェルヴェッツ」の愛称でも知られるヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、1964年にアメリカで結成されたロック・バンドです。ポップ・アートで一時代を築いた芸術家アンディ・ウォーホールのプロデュースによるアルバム『The Velvet Underground and Nico』でアルバムデビューしますが、中心メンバーであるルー・リード在籍時には4枚のアルバムを制作したのみの短命に終わってしまいました。しかし、ドラッグやセックスなどを扱った背徳的かつ文学性の高い内容を持つ詞や、ポップ・ミュージックにアヴァンギャルド性が加わった音楽性で、解散後にも多くのファンを獲得し、多くのロック・ミュージシャンが彼らから影響を受けるほどの存在となっていきました。タブーの世界に踏み込んでいく姿勢は、クラシックやジャズでは出来ないまさにロック的なもので、私も若い頃には大きく心を動かされて熱狂したものです。
今回は、ヴェルヴェッツのレコードで高額買取されるものに触れつつ、その音楽の魅了句を紹介させていただきたいと思います。
■The Velvet Underground and Nico
アンディ・ウォーホールのプロデュースにより1964年に発表されたヴェルヴェッツのデビュー・アルバムです。ウォーホールがジャケット・デザインを手掛けています。バナナの皮がシール状になっていて、剥がすとバナナの中身が出てくる仕様であり、ジャケット自体がすでにアート作品です。以降、ヴェルヴェッツ関連のオムニバス盤や再結成アルバムなどが制作されるたびに、このバナナのジャケットがモチーフとなったものが制作され続けたほどです。
初期のヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、レコード会社に楽曲提供をして生活していたルー・リードと、音楽大学で現代音楽を専攻していたジョン・ケイルというふたりの才能が、その音楽に個性を与えていました。アルバムの1曲目「Sunday Morning」などは、フィフティーズかというほど拍子抜けするほどの普通のチャート・ポップス風で、なるほど産業音楽の職業作曲家として活動していたルー・リードらしくも感じます。しかし、後に「ロックの詩人」と呼ばれるようになるルー・リードの作詞の才能や、音大で現代音楽を専攻し修めていたジョン・ケイルの前衛色が遺憾なく発揮された曲が4曲入っており、これがこのアルバムを特別なものにしていると感じます。
「毛皮のヴィーナス Venus in Furs」は不気味なヴィオラの上声部に続いて「輝く革のブーツ」という歌いだしで始まります。「ヘロイン Heroine」は、ヴィオラがペダルで不安定な持続音を示した状態で、アッチェルとリタルダントを繰り返してテンポが揺れ動く中で「ヘロイン、それは俺の人生、俺の妻」と歌われます。「黒い天使の死の歌 The Black Angel’s Death Song」は、産業ロックしか知らない人にこそ聴いて欲しい真正のアヴァンギャルド。「ヨーロピアン・サン」は、軽快なロックかと思いきや、間奏部でガラスを砕く破裂音が炸裂し、暴力的なギターソロが挟まります。
このレコードは、バナナの皮が剥がされずに残っているだけでも、日本盤やアメリカ盤を問わず、中古盤としては比較的に高額で取引されています。ですから、バナナの皮が残っているというだけでも、ほかの多くのレコードよりも高く買い取ってもらえる可能性が高いです。
しかし、ジャケット自体がすでにポップ・アートの名作という評価を得ているこのレコードは、熱狂的なコレクターがいる名レコードでもあります。ヴェルヴェッツはリアルタイムでは売れたとはいいがたい状態のバンドであったため、アメリカの初期オリジナル盤レコードは大変な高額で取引されており、eBayで4000ドル(1ドル110円換算とすると、44万円)がついています。それから、初期のプロモート盤は、レコードのラベル面がヴァーブレーベルの通常の青ではなく白です。アナログ盤時代のプロモート盤は、ラベル面が白のみで簡素に作られたものが多いのですが、ヴェルヴェッツのプロモート盤白ラベルも高額で買い取ってもらえる可能性が高い1枚です。2017年の日本のヤフー・オークションでは、30万円以上の値段がついて落札されていました。
ほかにも、バナナの形状が異なるクローズカット盤、ラベル面がヴァーヴのTマークではないもの、アンディ・ウォーホールのサインの位置が異なるものなど、一般の人ではとうてい判別がつかないところで思わぬ高額で取引されているものも存在しています。
■Scepter Studios Sessions
1966年、デビュー・アルバム発表前に作られたアセテート盤です。デビュー盤より2曲少ない9曲入りで、異なる曲順で異なるミックスが収録されています。この1966年アセテート盤は、海外で22,400ドル(同様の計算でおよそ246万円)の値段がついたことがあります。また、2007年には緑色のバナナを配置してレコード化されたこともあります。
■White Light/White Heat
1968年、アンディ・ウォーホールの手を離れて制作されたセカンド・アルバムです。バナナのファーストがあまりに有名なヴェルヴェッツですが、音楽的には本作が最高傑作ではないでしょうか。
ジョン・ケイル在籍時のアルバムという事もあり、内容が大変にアヴァンギャルドで、ファーストのようなポップスとの折衷という側面がありません。ギターアンプのヴォリュームを最大にして演奏し、「Lady Godiva’s Operation」では片チャンネルが物語を朗読し、もう片方のチャンネルが演奏となっています。
知識がないと分かりづらいですが、このアルバムのジャケットは真っ黒なわけではなく、マットの黒の上に光沢の黒インクでデザインが施されており、通称「入れ墨ジャケット」と呼ばれており、LPレコードのサイズでこそより価値があるものです。アナログ盤でないと意味がないという意味で、今後ますます価値が高くなっていく1枚かも知れません。
■Another View
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド解散後、ルー・リード在籍時のヴェルヴェッツがスタジオで録音した未発表曲を収めたアルバムが2枚リリースされました。ひとつが『VU』、もうひとつがこの『Another View』です。後者の価値は、第1にリード在籍時のヴェルヴェッツの集大成となったボックスセット『Peel Slowly & See』に未収録の曲が4曲(演奏違いを含めると5曲)収録されている事。第2にファーストやセカンドという、今も高く評価されているジョン・ケイル在籍時のアヴァンギャルドなアレンジの施された曲が含まれていることです。「Hey Mr. Rain」など、名作と呼ぶにふさわしい内容ではないでしょうか。
ボックスで聴くことが出来ない場合、ファンはバナナジャケットや入れ墨ジャケットなどのアナログ盤でヴェルヴェッツのレコードをコレクションする事に回帰していく可能性があります。現状でもある程度の値段で取引されている本作ですが、あまり再プレスが多くされていないので、今後は値段が上がっていくかもしれません。
■一般の人では分からないところで、思わぬ高値がつくかもしれないヴェルヴェッツのアナログ盤
音楽自体が今聴いても強烈な魅力を放つヴェルヴェット・アンダーグラウンドですが、不安定なヴィオラの音を放ち、ギターアンプをフルボリュームにして演奏し、人間にとっての背徳的な詩を扱うなど、音楽自体がアナログな魅力にあふれています。「ヴェルヴェッツの音楽はアナログ盤で」という人が消えることは、今後もないでしょう。ヴェルヴェッツのアナログ盤は、思わぬところで高値がつくことがあるので、もし手放そうとお考えになっている方は、その価値をきちんと査定することのできるレコード買い取り業者に相談してみてはいかがでしょうか。
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買取品目 | レコード、CD、DVD、カセットテープ、オーディオ、音楽書籍&記念品etc |
出張地域 | 大阪/兵庫/京都/滋賀/和歌山/奈良/三重/香川/徳島/愛媛/高知/鳥取/岡山/一部広島/一部島根/福井/石川 |
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店名 | 音機館レコード&オーディオ |
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総合評価 | (4.3) |
買取価格 | (5.0) |
スピード | (3.0) |
サービス充実度 | (5.0) |
■買取情報
出張買取 | CDなら500枚、LPなら1,000枚が目安 |
宅配買取 | ○ |
店頭買取 | ○ |
買取ジャンル | ジャズ、クラシック、ロック、各ジャンル専門スタッフが常駐 |
買取品目 | レコード、CD、DVD、音楽書籍etc |
出張地域 | 関西全域、関東全域、他地域は要相談 |
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総合評価 | (4.3) |
買取価格 | (4.0) |
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出張買取 | ○ |
宅配買取 | ○ |
店頭買取 | ○ |
買取ジャンル | オールジャンル |
買取品目 | レコード、レーザーディスク、CD、DVD、カセット、オーディオ、映像機材etc、スタッフは多そうだが各ジャンルの専門スタッフがいるかは不明。 |
出張地域 | 兵庫/大阪/京都 |
■店舗情報
店名 | 宅音便 |
電話番号 | 0120-360-760 |
営業時間 | 月~金:10:00~18:00 土・日:10:00~17:00 |
所在地 | 兵庫県神戸市中央区東川崎町7-1-5 |