近年、世界的に人気が再燃しているアナログレコード。
過去の名盤だけでなく、若いアーティストたちの新譜がアナログレコードで発売されることも増えました。
そうしたアナログレコードを、Tシャツやタオルなどと同じように「グッズ」として購入する人も多いようです。
ですが、せっかくのレコードなのですから、やはり実際に再生することがいちばんの楽しみではないでしょうか。
そこでこの記事では、グッズとしてレコードを収集する人たちに向けて、アナログレコードのかんたんな取り扱い方法を紹介します。
取り扱い方法①:レコードプレイヤーをセッティングしよう
まずは、アナログレコードの再生に必要なレコードプレイヤーをセッティングしましょう。
ストリーミングサービスやCDプレイヤーと違い、レコードプレイヤーにはレコードを再生するための「調整」が必要です。
レコードプレイヤーの調整はとても奥が深い世界で、そこもまたアナログレコードを聴く楽しみなのですが、ここでは、必要最低限のセッティング方法を解説します。
なお、安価なレコードプレイヤーや、CDプレイヤーなどの機能を搭載したタイプのものでは、これらの調整が必要ないこともあります。
プレイヤーを水平に調整
まずは、レコードプレイヤーの傾きをなくしましょう。
プレイヤーが傾いていると、針がうまくレコードの溝に沿わず、きれいに再生することができません。
なるべく平らなところにプレイヤーを設置した上で、プレイヤーの足(インシュレーター)の高さを調節することで、水平をとります。
この作業は感覚でやるのではなく、水平器を使用することをおすすめします。
水平器はレコードプレイヤーを扱うお店やホームセンターなどで販売されていて、安いものであれば1,000円以内で入手することができます。
トーンアームの調整
レコードプレイヤーの水平がとれたら、次はトーンアームの調整をおこないます。
トーンアームとは、レコード針を取り付けてアナログレコードの信号を読み取るための部品で、レコードプレイヤーの要です。
一般的な調節方法としては、まずトーンアームにレコード針を取り付けた状態でトーンホルダーからトーンアームを外します。
そしてトーンアームが支え無しで水平になるように、錘を操作して調整していきます。
この作業はトーンアームのタイプや製品によって異なり、またトーンアームは精密な構造を持つ部品なので、必ず取扱説明書の指示に従ってください。
はじめは難しく感じるかもしれませんが、最近はメーカーがセッティング方法を解説する動画を公開していることが多いため、あまり心配はいりません。
トーンアームの水平がとれたら、レコード針が指定する針圧を設定しましょう。
取り扱い方法②:実際にアナログレコードを再生しよう
レコードプレイヤーのセッティングができたら、いよいよアナログレコードを再生しましょう。
ストリーミングが主流となって久しいため、物理的な記録媒体に馴染みがない人にとっては、はじめは戸惑うかもしれませんが、とてもかんたんなので安心してください。
回転数の確認
アナログレコードは、プレイヤーにのせて盤を回転させ、そこにレコード針を沿わせることで記録情報を読み取ります。
なのでまず、そのレコードが指定する「回転数」を確認しましょう。
「回転数(rpm)」とは、1分間でレコードを何回転させるかで、ほとんどのアナログレコードは33回転(33rpm)か45回転(45rpm)です。
とくに33回転が一般的で、45回転はシングル盤などで見られます。
レコードの回転数を確認したら、プレイヤー側でそのとおりの回転数を設定します。
アナログレコードをジャケットから取り出す
次に、アナログレコード本体の取り扱い方法を説明します。
まずはジャケットから内袋に収納された状態のアナログレコードを取り出します。
このとき、内袋からレコードを落とさないように注意しましょう。
そして内袋からレコードを抜き取るのですが、レコードの盤面、つまり溝が刻まれている部分には触れないようにすることが大切です。
アナログレコードは手の脂や汗などの汚れに敏感です。
取り出す際には、レコードの縁や中央のラベル部分を持つようにしましょう。
プレイヤーにセットして針を落とす
アナログレコードを取り出したら、レコードプレイヤーにセットして針を落とします。
このとき、レコードに埃などが付着していたら、クリーナーを使ってきれいにしておきましょう。
準備がととのったら、プレイヤーのスイッチを入れてアナログレコードを回転させ、レコードのいちばん外側に針を落とします。
これでようやくアナログレコードを再生できました。
あとはゆっくりと音楽を楽しみましょう。
取り扱い方法③:アナログレコードのお手入れについて
アナログレコードは、CDやカセットテープ等と比べると、とても繊細な記録媒体です。
そのため、ときどきお手入れをする必要があります。
また、収納するときにも気を付けたい点がいくつかあります。
ここでは、アナログレコードを痛めないための、ごく基本的な取り扱い方法を解説します。
盤面のクリーニング
アナログレコードにとって、手の脂や汗、埃、静電気は天敵です。
そのため、できれば再生するたびに盤面をクリーニングしたいところです。
クリーニングの方法としては、クリーナーや精製水を使う方法や、専用のクリーニング機械を使うやり方があります。
クリーナー剤にはスプレータイプや液体タイプなどがあり、盤面に付着させて(ラベルにクリーナー剤を付けないように注意)、専用のクリーナーで拭き取ります。
アナログレコードをクリーニングするときに気を付けたいポイントとして、水道水や手近な布を使わないことです。
水道水を使うと盤面に水垢が付着してしまいますし、ハンカチ等の布でレコードを拭くと、かえって埃が溜まったり静電気が蓄積してしまったりして、再生に支障をきたします。
アナログレコードのクリーニングには、必ず専用のクリーナーを使用しましょう。
また、レコードプレイヤーの針についても、同様にクリーナーを使って埃や静電気を除去することが大切です。
アナログレコードの保管方法
アナログレコードは湿気に弱く、湿度の高い場所に長期間保管しているとカビが生えてしまいます。
そのため、湿度が低く、風通しのよい場所に保管するようにしましょう。
また、重ねて保管するとレコード盤が変形してしまうので、図書館の書籍などと同じように、縦に並べて収納してください。
保管には、アナログレコード専用の収納ラックや収納ボックスを使用するのがいちばんです。
加えて、アナログレコードのジャケットは紙でできているため、レコード本体と同じように、湿気や直射日光を避けることが、きれいな状態を保つための大切なポイントです。
まとめ
大きなジャケットや重量感から、アーティストグッズとしての人気も高いアナログレコード。
いざ実際にレコードを聴いてみようとしても、はじめての人からするとハードルが高く感じてしまうのも事実です。
この記事では、そんな人たちのために、アナログレコードの基礎的な取り扱い方を紹介しました。
レコードプレイヤーとトーンアームの水平をとる、アナログレコードは盤面に触れないように扱う、できれば毎回クリーニングをする。
アナログレコードの収納では、湿気や直射日光などに気を付ける。
とても奥が深いアナログレコードの世界ですが、こうした基礎的なことを抑えてしまえば「レコードを聴く楽しみ」をはじめることができるのです。
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