アメリカのミュージシャンで、クインシー・ジョーンズほど多才な人はいないでしょう。音楽家でありプロデューサー。テレビ番組の制作ディレクターでもあり、さらに若くしてレコード会社の経営まで手掛けた人物です。

音楽家に限定しても様々な顔を持っており、作曲家、アレンジャー、トランペッター、ビッグバンドのバンドマスター。扱う音楽ジャンルも多彩で、ジャズやクロスオーヴァーをはじめ、ラテン音楽、クラシック、はてはマイケル・ジャクソンなどのR&Bやポップ・ミュージックまで手掛けています。そしてその音楽のすべてがプロフェッショナルの域に達しているという、まさに驚異的な音楽人。それがクインシー・ジョーンズです。

今回は、そんなクインシー・ジョーンズのアルバムのうち、名盤の評価を受けるとともに、高額での買い取りが見込めるレコードを紹介させていただきます。

■Quincy Jones / The Quintessence (Impulse!, 1962)

バークリー音楽大学で学んだクインシー・ジョーンズにとって、プロとしてのスタートはジャズでした。ライオネル・ハンプトン楽団でトランペッターを務めつつアレンジャーとして活躍。そこから独立してビッグバンド・ジャズのバンドリーダーとして録音作品を発表するようになりました。これは62年発表(録音は61年)のクインシー・ジョーンズ3作目のレコードで、クインシーのビッグバンド・ジャズ最高傑作という評価を集めています。

一聴して信じがたいほどに美しいモダンなサウンドに聴こえます。しかしよく聴くと伝統的なビルドを使ったホーンライティングで、決してギル・エヴァンスやジョージ・ラッセルのようなコンテンポラリーな和声処理が行われているわけではありません。このあたりは、エンターテイメント性の高いクインシーならではのさじ加減で、洗練されていながら難しくならないバランスの良さがうかがえます。

聴くだけでゾクゾクしてしまうこの耳ざわり良いサウンドの正体は、録音の良さとバンドのトゥッティの決まり具合の精度にあるようです。60年前後はビッグバンド録音が急速に進化した時期でもあり、特にインパルスはギル・エヴァンス『Out of the cool』(1960年録音、エンジニアはルディ・ヴァン・ゲルダー)などの名録音を連発していました。

アナログ・レコードの取引価格は高く、USオリジナル盤はもちろん、帯つき日本盤もそれなりの取引価格になる事が多い状態です。取引価格の面だけでクインシーのビッグバンド・ジャズ作品を見るなら、デビュー作『This is How I Feel About Jazz(私の考えるジャズ)』のABCパラマウントUSオリジナル盤レコードは、本作を超える高額で取引されています。

■Quincy Jones / Big Band Bossa Nova (Mercury, 1962)

60年代、クインシー・ジョーンズはフランスのレコード会社マーキュリーのニューヨーク支社の経営陣の役職を得た事があります。プレイヤーや作編曲家としてだけでなく、ビジネスの面から音楽を見つめる器量を買われたのかも知れません。

このアルバムはそのマーキュリーからリリースされた作品で、アルバムタイトルが示しているように、ビッグバンドでボサノヴァを料理しています。合衆国にボサノヴァのブームが来ていた時代ではありましたが、本作がスタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトによる大ヒット作『Gets/Gilberto』より1年早くレコードリリースされたところを見ると、先見の明があったといえるかもしれません。

ほとんどがブラジル音楽の名曲のカバーですが、白眉はクインシーによる「Soul Bossa Nova」。服飾専門学校のテレビCMで使われるなど、日本ではよく紹介される曲なのでご存じの方も多い曲ではないでしょうか。3-2クラ―ヴェのリズムにクイーカをはじめとしたラテン・パーカッションによるリズム・セクション、印象的なコードプレスを聴かせるピアノ、そして印象に残るテーマと、エンターテイメント性あふれる楽しい音楽です。

ベストセラーとなったアルバムなので、CDのみならずアナログ盤も各国で何度となく再発されています。ジャズのレコードによくある事ですが、本作もジャケット違いが多く、コレクターの心をくすぐるタイトルでもあります。21世紀に入ってからの再発盤は常識的な取引金額に落ち着いているようですが、62年発売はいずれも高額。USオリジナル盤はもちろん、黒枠が下に来るジャケット違いのUK盤やオランダ盤、白枠のイタリア盤など、いずれも高額がつきやすい状態です。

■The Pawnbroker -Explosive Motion picture score- (Mercury, 1965)

アメリカ映画『The Pawnbroker』(邦題『質屋』)のサウンドトラック盤です。オリジナル・サウンドトラックではなく同映画のために書き下ろしたスコアをあらためてレコード用に演奏したもので、クインシー・ジョーンズの管弦アンサンブルのスコアライティングを楽しむことが出来る貴重なレコードです。曲とアレンジの完成度が高く、作編曲の技術面で言えばクインシー・ジョーンズ最高傑作ではないでしょうか。

60年代当時、合衆国でアフリカン・アメリカンの大編成編曲はビッグバンドに限られており、管弦の編曲をする事はタブーに近い事でした。クインシーはそのタブーを本作で破り、アメリカのショー・ビジネスの世界でのアフリカン・アメリカンの役割を大きく広げました。本人にもその意識があったから、わざわざ音楽部分を新たに録音し直して、レコード作品の完成度をあげたかったのかも知れません。

■アメリカ音楽界のダ・ヴィンチは八面六臂の活躍!

上に挙げた作品だけでも、クインシーはジャズ、ラテン、クラシックを手掛けています。さらに、日本でも高い人気の「鬼警部アイアンサイドのテーマ」をリアレンジして収録したアルバム『Smackwater Jack』はクロスオーヴァー。マイケル・ジャクソンとはソウルやR&Bといった音楽を様々なブラック・ミュージックと融合させて新たなポピュラー音楽のスタイルを作り上げました。まるでレオナルド・ダ・ヴィンチのような多彩さで、戦後のアフリカン・アメリカンの産業音楽すべてがクインシーの活動で俯瞰できてしまうほどです。

もし、そんなクインシー・ジョーンズのレコードを譲ろうと思っていらっしゃる方がいましたら、その価値が分かるLPレコード専門の買い取り業者に査定を依頼してみてはいかがでしょうか。

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【1位】音機館レコード&オーディオ

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総合評価 (4.8)
買取価格 (5.0)
スピード (5.0)
サービス充実度 (4.5)

■買取情報

出張買取 LPまたはCD100枚以上から(レア盤は10枚からでも可?)
宅配買取 ○(但し事前の連絡が必要)
店頭買取 オーディオのみ可(但し事前の連絡が必要)
買取ジャンル ジャズ、レア盤歌謡曲・ポップス、ロック、アニメ、特撮ヒーロー系、各ジャンル専門スタッフが常駐(ヘヴィメタル、ハードコアパンクの知識豊富なスタッフも在籍している)
買取品目 レコード、CD、DVD、カセットテープ、オーディオ、音楽書籍&記念品etc
出張地域 大阪/兵庫/京都/滋賀/和歌山/奈良/三重/香川/徳島/愛媛/高知/鳥取/岡山/一部広島/一部島根/福井/石川

■店舗情報

店名 音機館レコード&オーディオ
電話番号 06-6447-6959
営業時間 12:00-21:00
所在地 大阪府大阪市西区 京町堀2-13-1 ギャラリー京町堀ビル611

【2位】ディスクユニオン大阪クラシック館

東京に本部を構えるディスクユニオンの大阪店。言わずと知れたレコード買取大手!

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総合評価 (4.3)
買取価格 (5.0)
スピード (3.0)
サービス充実度 (5.0)

■買取情報

出張買取 CDなら500枚、LPなら1,000枚が目安
宅配買取
店頭買取
買取ジャンル ジャズ、クラシック、ロック、各ジャンル専門スタッフが常駐
買取品目 レコード、CD、DVD、音楽書籍etc
出張地域 関西全域、関東全域、他地域は要相談

■店舗情報

店名 ディスクユニオン大阪クラシック館
電話番号 0120-946-351(携帯電話からは 06-6809-3281)
営業時間 11:00~21:00(日・祝20:00)
所在地 大阪府大阪市北区堂山町15-17 ACTⅢ 1F

【3位】宅音便

あらゆる音楽・映像メディアを買取しています!

ジャズやクラシック~演歌・歌謡曲までオールジャンルで買い取ってくれるのがうれしい。従来になかったレコード屋さんで、ヤフオクに特化しており、売り切り・安売り均一価格スタート販売スタイル。スタッフの知識はあると思われるが、買取価格はあまり高くはないと感じました。但し、他店で買い取ってもらえなかったものなども買取可能なこともあると思われる。歌謡曲やクラシックレコードの買い取りに強い。

総合評価 (4.3)
買取価格 (4.0)
スピード (4.5)
サービス充実度 (4.4)

■買取情報

出張買取
宅配買取
店頭買取
買取ジャンル オールジャンル
買取品目 レコード、レーザーディスク、CD、DVD、カセット、オーディオ、映像機材etc、スタッフは多そうだが各ジャンルの専門スタッフがいるかは不明。
出張地域 兵庫/大阪/京都

■店舗情報

店名 宅音便
電話番号 0120-360-760
営業時間 月~金:10:00~18:00 土・日:10:00~17:00
所在地 兵庫県神戸市中央区東川崎町7-1-5