ひたすら高速のインプロヴィゼーションにまい進していくそのスタイルから、「ギターのコルトレーン」とも言われたパット・マルティーノ。そのスタイルはギターというより管楽器のようでもあり、往年のジャズ・ギターからすると異色にも映るスタイルでした。しかしその活動期間がジミ・ヘンドリックスやジェフ・ベックというロックのギターヒーローの時代と重なり、さらにフュージョン時代のギターの演奏スタイルにもフィットしたことで、パット・マルティーノのようなスタイルはジャズ・ギターを代表するスタイルのひとつとなり、従来のジャズ・ギターにはない独特な世界を築き上げました。

今回は、そんなジャズ・ギターのレジェンドのひとりであるパット・マルティーノのアルバムのうち、名盤レコードであるとともに高額買い取りが見込めるレコードをご紹介させていただきます。

■East! (Prestige, 1968)

パット・マルティーノのレコードデビューはプレスティッジで、彼はこのレーベルに5枚のリーダー作品を残しました。この時期のアルバムは、スタンダード、アップテンポの速弾きを聴かせる曲、アルバムカラーとなる曲、これらを組み合わせて作ってあります。デビュー作『El Hombre』のアルバムカラーはクラブジャズ風の曲であり、セカンドアルバム『Strings!』ではラテンジャズです。そしてこのサード・アルバム『East!』のカラーはモードでした。

マルティーノのモードは、新主流派ジャズや印象派系のモードではなく、インド音楽からそれを持ってきた点が独特です。13分に及ぶ冒頭ナンバー「EAST」はドリアン系のモード曲で、途中でテンポが倍になり、最後にはギターが高速でアドリブ演奏に埋没していく劇的構成、ここでマルティーノはアメリカン・ソングの上でアドリブ演奏を聴かせるエンターテイメントなジャズから離れます。しかし他の曲は正当なジャズで、「Lazy Bird」などは、ジャズ・ギタリストとしての実力を存分に発揮しています。

日本でのパット・マルティーノ人気は、ジャズファンよりもギター愛好者から火がついたようで、それだけに少し遅れたように思います。最大のブームとなったのは90年代のブルーノート移籍時で、ジャズ雑誌『ジャズライフ』が何度も特集を組みました。つまり、ブームの際は既にCDの時代で、人気に比べてLPの出回り数が多くありません。プレスティッジ時代では一番人気の本作も入手がなかなか困難なだけに、それなりのレコード査定を見込める1枚です。

■Desperado (Prestige, 1970)

プレスティッジ最終作です。このアルバムでのパット・マルティーノはアンプリファイした12弦ギターを使用、個性的なサウンドを体験することが出来ます。マルティーノのギターにはウェス・モンゴメリの影響が見えるので、「どうせオクターブ奏法を使うなら、最初からオクターブ音が鳴るギターで弾いたらどうか」と思ったのかも知れませんね。

バラエティに富んだ曲を配置するアルバム作りから一転し、「弾き倒し」と言っていいほどの押しの一手のインプロヴィゼーションを聴かせます。ドラムのシャーマン・ファガーソンのプレイも実に熱く、マルティーノを煽ります。『East!』での芸術音楽の楽式の使用と、このアルバムでの「弾き倒し」というスタイル、これでパット・マルティーノの音楽スタイルが完成したと言えるのではないでしょうか。

80年代まではレコード店でよく見かけた1枚ですが、現在では入手困難。これもLPレコードの価値が上がってきている作品です。

■Exit (Muse, 1977)

パット・マルティーノの音楽的なアドバンテージを、「ギターでのジャズのアドリブ演奏システムの構築」、「芸術音楽の楽曲様式の使用」、「高速演奏」の3点とするなら、このアルバムこそパット・マルティーノ最高傑作ではないでしょうか。

アルバムタイトルともなった「EXIT」が素晴らしいです。ゆったりとしたルバートのバース・ソロから始まり、ドラムがリズムを決め、ギターがテーマを提示し、ピアノが和声を提示。こうして音楽を構成するすべてが揃ってところで加速してイン・テンポとなり、セカンド・テーマが入り…劇的構成とジャズならではのインプロヴィゼーションが見事に融合した、ジャズ・ギターの歴史に残る名曲・名演と思います。また、このナンバーでは、以前は和音をほとんど演奏しなかったマルティーノが和声的アプローチをして表現の幅を広げるなど、マルティーノのギター演奏の進化も聴くことが出来ます。

1970年にプレスティッジを離れたパット・マルティーノは、1997年のブルーノート移籍までMUSEというレーベルを中心にアルバムを発表するようになります。MUSEにプレスティッジやブルーノートほどのディストリビューションがなかったからか、MUSE期のLPレコードはプレスティッジ期の比にならないほど価格が高騰しているものが多い状態です。

■嵌まれば外れなし、すべてコレクションしたくギター・レジェンドのアルバム群

ジャズ・ギターのレジェンドをこう評するのも変かもしれませんが、もしかするとパット・マルティーノという人は、西洋音楽の調体系の中でのギター・アドリブに興味があったのであって、ジャズにはそれほどこだわりがなかったのかも知れません。それだけに、ジャズファンからすると少しジャズ的ではない音楽に聴こえるかも知れませんが、優れたアドリブという点に嵌ってしまえば外れなしというのが、マルティーノのアルバムの特徴ではないでしょうか。中でも、恐らくレーベルから演奏曲の指定をされなかっただろうMUSE時代の70年代は傑作のオンパレードで、今回紹介した作品以外では『Live!』や『Consciousness』も名盤の声が高い作品です。

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買取ジャンル ジャズ、クラシック、ロック、各ジャンル専門スタッフが常駐
買取品目 レコード、CD、DVD、音楽書籍etc
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買取価格 (4.0)
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買取品目 レコード、レーザーディスク、CD、DVD、カセット、オーディオ、映像機材etc、スタッフは多そうだが各ジャンルの専門スタッフがいるかは不明。
出張地域 兵庫/大阪/京都

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電話番号 0120-360-760
営業時間 月~金:10:00~18:00 土・日:10:00~17:00
所在地 兵庫県神戸市中央区東川崎町7-1-5