CDやダウンロード、あるいはストリーミングといったデジタルメディアではなく、ぜひレコード盤で聴きたい音楽があります。50~60年代に全盛を迎えたモダン・ジャズなどは、まさにそういう音楽ではないでしょうか。

チャールズ・ミンガスは、モダン・ジャズの中でも特に重要な位置を占めたひとりです。チャーリー・パーカーにしてもマイルス・デイヴィスにしても、モダン・ジャズで有名ミュージシャンというとプレイヤーが多いですが、ミンガスは少し違います。優秀な作曲家であり、コンボからビッグバンドまでのアレンジをこなす名編曲家であり、バッハまで弾きこなす優秀なコントラバス奏者でした。さらに、ワークショップを続けてミュージシャンを育てながら現代音楽の学習を行い、ジャズの作曲やモダンなアドリブのメソッドを進化させ、不当に安かったジャズ・ミュージシャンのギャランティー改善のために自分でレコード・レーベルを作った、ジャズ音楽界全体の革命者でもありました。ミンガスがいなければ、モダン・ジャズの歴史はまったく違うものになっていたでしょう。

そんなチャールズ・ミンガスの音楽で最良だった時期は、天才アルト・サックス奏者のエリック・ドルフィー在籍時ではないでしょうか。今回は、驚異の音楽を展開したドルフィー在籍期チャールズ・ミンガス・バンドの名盤レコードをいくつか紹介させていただきたいと思います。

■Charles Mingus / Presents Charles Mingus

1960年発表、ピアノレスの2管カルテット編成です。ライブで繰り返し演奏されることになる「フォーバス知事の寓話」収録で有名なアルバムですが、音楽面で驚かされたのはアルバム冒頭曲「Folk forms, No.1」でした。ジャズの通常形態である、ドラムがリズム、ベースはバス声部、ピアノは和声、メロディ楽器が主旋律といった形態ではなく、トランペット、サックス、コントラバスが3声によるポリフォニーを形成しています。ポリフォニーはモチーフとヴァリエーションという形を取り、バリエーションは即興によるものです。3コースの旋律を即興で行うこと自体が驚異で、即興演奏の迫力を持ちながら、ポリフォニーが均衡を保ち続ける実に前進的な音楽で、はじめて聴いた時には度肝を抜かれました。

そして、終曲でのドルフィーの超高速のアドリブ演奏も素晴らしいもので、おそらくこの演奏でドルフィーはジャズ界から注目されることになったのでしょう。渋い作品ですが、真剣に聴くほどその高度な音楽性と見事な演奏に魅了されることになるアルバムと思います。

■Charles Mingus / Mingus!

先述『Presents Charles Mingus』とこの作品は、CANDIDというレーベルからリリースされた作品で、たった2年しか活動期間のないレーベルながら19作品を発表、その中に以降のジャズの歴史を大きく変えていった作品がいくつも含まれています。これも60年録音の作品で、こちらは最大で9重奏となるコンボによる作品です。ドルフィーの参加が見られますが、全体のアンサンブルがより重視され、ミンガスのブラスアレンジ能力がより引き立っています。

ドルフィーがミンガス楽団に参加した時期は、1960年と1964年の2回です。60年に行われたこれらのセッションのあと、ドルフィーはジョン・コルトレーンやオーネット・コールマンというモダン・ジャズの巨人たちから誘われて羽ばたいていき、リーダーを上回る演奏をそれぞれのバンドで披露。モダン・ジャズの歴史に大きな足跡を残していくようになります。

■Charles Mingus / Town Hall Concert

ミンガスの手を離れたドルフィーは多くの歴史的なモダン・ジャズ・セッションに参加したのち、64年に帰ってきます。64年のミンガスのバンドはドルフィー以外も最強の布陣と言ってよい状態で、このメンバーで行ったヨーロッパ・ツアーは今でも語り草となっています。これは64年4月4日にニューヨークのタウンホールで行われたコンサートのライブ録音で、ここから伝説のツアーの幕開けとなります。

録音があまりよくないのですが、音楽が強烈です。曲中で自在に変わるテンポ、ドルフィーの脅威のインプロヴィゼーションと管楽器のトゥッティの対比、前衛的な手法とまるでデューク・エリントンの音楽のようなアーリータイム・ジャズの同居など、息をつく暇もない状態で音楽が突き進んできます。50年代から素晴らしい音楽を作り続けてきたミンガスの音楽が、ここで頂点を迎えたといっても過言ではないのではないでしょうか。

気をつけないといけないのは、ミンガスにはこのレコードとは違う同名の『Town Hall Concert』というレコードがあることです。これは64年のライブですので、お間違いのないように。

■Charles Mingus / The Great Concert of Charles Mingus

ドルフィー参加の64年のミンガス・コンボのライブは、あまりの素晴らしさのためか、数多くレコード化されました。これはニューヨークでのコンサートの約2週間後となる64年4月19日に、フラン・パリのシャンゼリゼ劇場で行われたライブの模様です。

メンバーはタウンホールとほぼ同じですが、1曲目を除いてトランペットが抜けています。欧州ツアー中にトランペットのジョニー・コールズが病気で倒れたためです。1曲目だけコールズが参加しているのは、この曲だけ前日のリハーサル・テイクを収録したという事情があります。この64年ツアーでつまらないものはひとつもなく、ステージをほぼフル収録したという意味でもこのレコードの価値は高いです。

LPでは3枚組レコードというボリュームが素晴らしく、また巻三つ折りの特殊ジャケットという装丁も見事で、これは音のみならず「もの」としてレコードで持っていたいアルバムではないでしょうか。

■Charles Mingus / Mingus in Europe Volume I

■Charles Mingus / Mingus in Europe Volume II

ヨーロッパ・ツアーも終盤にさしかかった64年4月26日、ドイツのヴッパタールでのライブ録音です。他の64年ライブ録音と違っているのは、各プレイヤーのインプロヴィゼーションを堪能できるトラックが収録されていることです。Volume II ではミンガスがピアノ伴奏で(「Sophisticated Lady」)、ピアノのジャキ・バイアードが無伴奏で(「AT-FW-YOU」)素晴らしいインプロヴィゼーションを聴かせてくれます。

ドルフィーはVolume I の「Starting」で、ミンガスのベースを伴奏に、どういう音階を使っているのかもわからないほどのモダンなサウンドで、かつ高速にフルート・ソロを演奏しています。この見事なフルートのアドリブは、ドルフィーの遺作に繋がっていく事になります。そしてこの欧州ツアー終了後、ドルフィーはアメリカに還らずにヨーロッパに残り、2か月後に不慮の死を遂げることになります。

ジャズはもともとアメリカ合衆国のエンターテイメント音楽でしたが、チャーリー・パーカー登場の50年代からフリー・ジャズ全盛の1970年あたりまで、芸術音楽として真剣に音楽に取り組んだ流れがありました。つまりモダン・ジャズ黄金期はLPの最盛期と完全にタイミングが一致しています。モダン・ジャズを聴くならLPで聴きたいですよね。

そして、もしレコードを手放そうと思っていらっしゃるようであれば、モダン・ジャズのLP需要は今も強いままです。無駄に処分してしまわず、ぜひレコード買い取り業者にお任せいただければありがたいです。

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